長崎県が「離島振興計画」素案公表 デジタル化の強化、船舶の新造・更新も

県離島振興計画素案の主な施策

 改正離島振興法が4月から施行されるのを前に、長崎県は11日、2032年度までの10年間の基本的な方向性や施策を示す「県離島振興計画」の素案を公表した。新たな産業振興や地域課題の解決を目指し、デジタル化の推進を強化。小規模離島の生活環境の改善支援や、ジェットフォイルやフェリーなど船舶の新造・更新なども新たに盛り込んだ。
 同日開かれた県議会離島・半島地域振興特別委員会で明らかにした。
 基本理念は「ながさき しまの創生~しまの人口減少に歯止めをかける~」。基本的な方向性は、▽地域資源を最大限に生かした産業活性化と交流人口拡大▽産業を支える人材の確保・育成▽不利条件の克服と島の重要性の発信-の3本柱とした。
 小規模離島に対する支援については、対象が拡大される「離島活性化交付金」を活用し、買い物支援や地域交通の充実を図る。ドローン活用による物資の流通改善にも力を入れる。
 デジタル化関連では、光ファイバーや第5世代(5G)移動通信システムなどデジタル基盤を整備・維持し、遠隔医療や遠隔授業の体制づくりに取り組む。
 「場所に制約されない働き方」の全国的な普及を踏まえ、リモートワークやワーケーションの需要の取り込みも強化。このほか、公立学校の適正配置や教職員定数、処遇について配慮することや、再生可能エネルギーの導入や関連産業の参入促進なども明記した。
 今後、パブリックコメントを実施し、2月開会の定例県議会総務委員会で議論した上で、4月に国に計画を提出する。


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