「アンモニア混焼」実証実験 松浦発電所の低炭素化へ 九州電力・池辺和弘社長

松浦発電所でのアンモニア混焼計画などについて話す池辺社長=福岡市、九州電力本店

 九州電力の池辺和弘社長は長崎新聞の新年インタビューで、石炭火力の松浦発電所(松浦市)の低炭素化に向け、アンモニアを混ぜて燃やす「混焼」の実証実験を2023年度中に予定していると明らかにした。アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さず、同社は30年までに20%混焼する技術の確立を目指す。

 -松浦発電所で混焼する時期は。
 2号機で23年度に予定している。苓北発電所(石炭火力、熊本県苓北町)とどちらが先になるか分からないが、最初は少しの量から始め、データを取り、技術的に混焼率を上げていけるかどうか検証する。

 -排出ガスからCO2を取り出し地中に閉じ込める技術「CCS」も将来的には適地を見つけて導入するか。
 (脱炭素化に向け導入)していかなければならない有望な技術。だが現在は炭素を埋める根拠法のようなものが国内になく、まず法律を作ってもらわないと進まないだろう。

 -昨年、ハウステンボス(HTB、佐世保市)の株式を売却した。今後の関わり方は。
 HTBは九州の財産だ。(親会社だった旅行大手)エイチ・アイ・エスが売却したことよりも、積極的に拡大投資をし繁栄させてきた実績がある企業(香港を拠点とする投資会社PAG)が買ったということが大事。HTBにもっと投資をしてもらって魅力を増し、リピーターがどんどん来てくれるような資源になるよう期待している。

 -県と佐世保市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)については。
 (誘致を)一生懸命やっていると聞いており、九州経済界として一体で応援していくという話はしている。電力供給やエネルギーサービスでの協力はしたいと思う。出資をするかどうかは、どんな事業計画かをきちんと分析した上でなければ、株主もいるので簡単には決められない。

© 株式会社長崎新聞社