作州城東屋敷 誘客へ民間貸し出し 4月から津山市、事業者募る

観光振興に向け、4月から津山市が民間に貸し出す作州城東屋敷

 津山市は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている城東地区の観光拠点・作州城東屋敷(同市中之町)をリニューアルし、4月から民間事業者に有料で貸し出す。民間のアイデアやノウハウを生かして誘客事業を展開し、観光振興につなげる狙い。

 作州城東屋敷は、市が1993年に出雲往来沿いに整備。木造2階約350平方メートルの建物はなまこ壁や出格子窓、屋根裏の「つし二階」などを備え、江戸時代の商家を再現している。民間には建物南側の1、2階延べ約130平方メートルを貸与し、観光客向けの体験プログラムや展示、物販に使ってもらう。北側大広間(約160平方メートル)も1時間820円で貸し出す。

 民間は3年以上の実績と県内に事業所がある法人や団体、個人事業者が対象。使用料は年72万円で、期間は最長5年を予定している。今月18日に現地説明会を開催し、2月3日まで借り手を募集する。

 改修は建具補修や外観塗装を手がけ、建物北に駐車場を整備する。事業費は633万円を見込む。工事に伴い3月末まで休館する。

 市はこれまで地元に管理を委託し、観光客に公開したり、住民が集会に利用したりしてきた。整備から30年が経過し傷みが出てきたことなどから運用を見直した。市歴史まちづくり推進室は「多くの人が魅力を感じる事業を誘致し、地域活性化を図る」としている。

 現地説明会の申し込みは16日まで。申し込みや問い合わせは同室(0868―32―7000)。

江戸時代の商家を再現した作州城東屋敷の内部

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