答えのない設問 親子で考える教材 天満屋、社内公募の新事業第1弾

天満屋が発売したドリル。表紙の空欄には親子の名前を記入する

 天満屋(岡山市北区表町)は17日、ドリル形式の子ども向け教材を売り出すと発表した。社内公募で選ばれた新規事業の第1弾。当面は実証実験と位置付け、初版500部を販売。売れ行きを見ながら、本格展開するかどうかを決める。

 教材は4~8歳児が対象で、タイトルは「8才までに親子でやってみよう」。子ども1人で答えを記入する一般的なドリルと違い、「ゴミって何だと思う?」「好きな遊びは何?」など決まった答えのない設問を親子が一緒に考えながら進めるのが特徴。学力テストでは測れない社交性や意欲、自制心といった「非認知能力」を育むという。

 長女(4)を子育て中の社員赤木一恵さん(38)が提案した。赤木さんは昨年3月から売り場を離れて専従として取り組み、思考力を育む教育に取り組む一般社団法人「創造的教育協会」(高知市)の助言を得ながら主に1人で作成。グループの印刷会社で昨年12月に製本した。A4判カラーで70ページ。1冊1100円。専用サイト(https://10minstudy.base.shop/)と紀伊国屋書店クレド岡山店(同中山下)で扱っており、20日から蔦屋書店高梁市図書館(同市旭町)でも販売する。

 PRのため21日、岡山店(岡山市北区表町)6階で無料の体験イベントを開く。時間は午前10時半、11時、午後1時、1時半、2時の計5回。各回先着5組。

 社内公募は、業容拡大や従業員の士気向上のため2021年1月に始めた。現時点で応募33件のうち事業化の候補として2件を採択。残る1件も春ごろ公表するという。

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