ウクライナ民謡 平和願い歌う 長崎居留地キッズコーラス 親交ある司祭が訪問 

コロルーク司祭(右)を前に合唱する長崎居留地キッズコーラスの児童ら=長崎市立大浦小

 戦火にさらされているウクライナを歌で励まそうと、長崎市立大浦小などの児童16人でつくる「長崎居留地キッズコーラス」は、同国の民謡「私のキーウ」をウクライナ語で練習している。親交のある国内唯一のウクライナ正教会の司祭、ポール・コロルーク氏=東京在住=が26日、同校を訪問。子どもたちは平和が訪れることを願い、力いっぱい歌声を響かせた。
 指導する同校の山口昌子教諭によると、コロルーク司祭が昨年8月9日に来崎した際、児童の一人が電車の中で席を譲ったことをきっかけに親交が生まれた。「ウクライナのために何か発信したい」と思い、翌9月から練習に取り組んでいる。
 「私のキーウ」は首都キーウの美しい景色や古里への愛を歌う。同国から避難している長崎大の留学生がウクライナ語の発音を教えたという。子どもたちが披露すると、コロルーク司祭は目頭を押さえた。
 子どもたちは「早くみんな楽しく生活できるように願っている」「戦争が終わり子どもが遊んでいるのを考えて歌った」などと話し、一人一人したためた手紙を手渡した。
 コロルーク司祭は、侵攻後、無力感にさいなまれることが多いとした上で「みんなから力をもらった。(子どもたちのように)何かすれば世界は変わる。長崎は力をいただく場所だ」と語った。


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