市民会館文化ホール廃止 長崎市が方針 維持費多額、新文化施設計画で

 長崎市は30日の市文化振興審議会で、市民会館文化ホール(魚の町)を廃止する方針を明らかにした。市内の文化施設を巡っては、2026年以降、旧市庁舎跡地(桜町)に新たな文化施設が完成予定。その後、長崎ブリックホール国際会議場(茂里町)の改修が計画されており、文化ホールの廃止は改修後になる見通し。
 市によると、同会館は建設から約50年が経過。65年の耐用年数を迎えるのは38年だが、ホール(977席)の性能維持のため設備更新(約1億8千万円)が必要で、維持管理費も年間約3千万円に上っている。
 市は新たな文化施設の基本計画で、ホール座席数を千席程度と想定。文化ホールは多額の維持費がかかる上、近隣に同規模のホールが二つ存在することになり、文化ホールの需要は他の施設でも補えるとして廃止の方針を固めた。市民会館内の中央公民館や市民体育館などの方向性については今後早急に検討を進める。
 市はこれまで、座席数は同規模でも、文化ホールはさまざまな大会や講演会などで活用し、新たな文化施設については芸術・専門性の高い文化公演など目的に応じてそれぞれ利用を図るとしていた。市文化振興審議会の委員からは「市民会館の耐用年数や廃止も踏まえて新たな文化施設の議論をすべきだったのではないか」「寝耳に水」などの意見が出た。


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