廃業を危惧 支援策について議論 長崎県の露地ビワ寒波被害

 露地ビワの寒波被害について、長崎県議会農水経済委員会は10日、生産者の支援策について議論した。寒害が繰り返され、委員からは「廃業を考える農家が増える」と危惧する声も。綾香直芳農林部長は、災害リスクを軽減し産地維持を図るため、「最後のチャンスとの思いで対策に取り組む」と力を込めた。
 県農産園芸課によると、2016年に638戸だった県内ビワ生産者数は、同年の寒害を経て、翌年は592戸と大幅に減少。その経緯も踏まえ、同委員会では迅速な支援を求める意見が相次いだ。
 綾香部長の説明によると、県は資金支援策として、長崎市やJAと連携した低利子融資などを検討中。寒害に備え簡易ハウスを普及させようとしているが、費用負担の大きさや斜面地という制約もあって進んでいないという。
 複数の委員は、ハウスを設置しやすいよう区画整理も同時に進める必要性を強調。14日には大石賢吾知事が現地視察を予定しており、委員からは「生産者に『安心』と『希望』のメッセージを伝えてほしい」と注文もあった。


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