佐世保・島瀬美術センターで「あゆみ展」 開館40周年を迎え歴史を回顧

これまでの歩みを紹介する資料が並ぶ会場=佐世保市、島瀬美術センター

 長崎県佐世保市島瀬町の島瀬美術センター(安田恭子館長)が開館40周年を迎えた。同館では、これまでの展示や事業など振り返る「しまび40年のあゆみ展」が開かれている。30日まで。無料。
 同センターの場所に文化施設ができたのは1953年。市制施行50周年記念事業として「市産業文化会館」が開設された。文化施設を要望する市民の声に応え設置した同館は、市民らの表現の場や、観光、歴史の情報発信の場として活用された。

島瀬美術センターの前身である佐世保市文化科学館(同センター提供)

 63年には科学室が整備され「市文化科学館」に改称。その後、建物の老朽化により解体し、83年4月に美術館と博物館の機能を持った「市博物館島瀬美術センター」が誕生した。2020年からは市から委託を受けた公益財団法人佐世保地域文化事業財団が運営を担っている。
 あゆみ展では、これまで開催した特別展や企画展のポスターや、市文化科学館の事業に伴い収受した書類を収録した「文化科学館書類綴 参」などを展示。同市出身の画家で佐世保美術振興会の発起人の一人でもある市山時一郎(1911~94年)や、佐世保書道教育界をけん引した書家、安永龍峰(1898~1986年)の作品など、佐世保の美術振興に寄与した作家らの絵画や書も並ぶ。
 同センターの学芸員、山内勇輝さんは「今後も表現の場や芸術鑑賞の機会の提供などを通し、多様な方に開かれた美術博物館を目指したい」として、「展覧会ではセンターの歩みと共に、佐世保の美術の歩みも見ていただけたら」と話している。

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