個性が尊重される社会へ 県内中高生が学習成果を発表 日光こども未来サミット

男女共同参画などについて、それぞれの考えを発表する中高生たち=27日午後1時35分、日光市鬼怒川温泉大原

 先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合を控え27日、日光市内で開かれた「こども未来サミット」。参加した県内中高生12人は、男女共同参画社会の実現に向けた「宣言書」作成のため、学習に取り組んできた。ジェンダー(社会的性差)にとらわれることなく一人ひとりの個性が尊重される社会へ-。学習成果発表の場では、それぞれが願いを込め、思いを語った。

 「日本の女性活躍が進まないのは、女性が家事育児をして当たり前というアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が影響している」。佐野高付属中3年田中(たなか)さつきさん(14)はこれまでの学習を踏まえ、そう総括した。

 サミットでは各生徒が学習内容を報告。フランス国民議会の女性議員割合が約4割と男女に大きな差がないことや、英国では女性管理職が36.6%と日本に比べ進んでいることなどを報告した。

 一方、日本は世界経済フォーラム発表の2022年版「ジェンダー・ギャップ報告」で、男女平等の達成度順位は146カ国中116位。ジェンダーギャップ指数はG7の中で最も低い。

 「女性が家事をしてくれるという保守的な考えがあった」と打ち明けた黒磯南高3年渡辺朔太郎(わたなべさくたろう)さん(18)は「バイアスを捨てることが大事。若者が選挙に行くという小さなことでも、日本を変えられるかもしれない」と訴えた。

 同校3年小林心愛(こばやしここあ)さん(17)は「男女共同参画に関するニュースを意識的にチェックするようになった。こうしたテーマで話し合う機会を増やしてほしい」と話した。

 サミットの内容は今後オンラインを通じて国内外に発信される予定。発表を終え、今市高3年一ノ瀬俐玖(いちのせりく)さん(17)は「問題が根深いのは都市部より地方で、日光で会合が開催されることは意義深い。宣言書で自分たちの意見が届くといい」と語った。

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