10月スタート 制度や税…何が変わった?暮らしへの影響は?(静岡県)

10月が始まり、さまざまな制度や税が変わりました。私たちの暮らしにどのような影響を与えるのでしょうか。

浜松市南区の酒店。日本酒や焼酎など、品揃えが豊富な人気店です。

(川口 卓也 記者)

「こちらお店の入り口には、缶ビール・生樽値下げしましたと大きな張り紙が貼られています」

店長に話を聞くと…

(ガリバー中田島店 大田 眞一 店長)

「ビール、発泡酒、新ジャンル(第3のビール)です。酒税改正でビールが安くなった」

10月からビールにかかる酒税が下がったのです。350ml換算で6.65円の税率引き下げとなり、その分、価格が下がりました。

(客)

「きょうはこれ買いに来た」

記者)ビールの税率が下がったことについて

「うれしい、下がるにこしたことはない、消費者にとって」

その一方で、10月から値上がりしたものも…それがいわゆる“第3のビール”です。350ml換算で、9.19円税率が上がりました。酒税をめぐっては、お酒の原料や製法で税率が分かれていますが、それを段階的に変えていき、2026年までに税率を一緒にすることが決まっています。今回の改正で、売れ行きに変化もあったようです。

(ガリバー中田島店 大田 眞一 店長)

「(税率が)下がることがわかっているので、1日からビールを買う人が増えた。ビールの供給がもう少し増えていくと思う」

一方、商品を購入する際に支払う消費税を正確に把握するため、10月から導入されたのが「インボイス制度」です。

「インボイス」とは、日本語で「適格請求書」を意味し、事業者が消費税の控除や還付を受けるには、品目ごとに税率や税額を記載した“インボイス”と呼ばれる請求書やレシートが必要となります。登録した事業者には「Tから始まる13桁の数字」が割り振られ、レシートなどに明記することが義務付けられています。この登録番号の義務化によって、思わぬ“特需”となっているのが「ハンコ業界」です。

(栗田印房 店主 栗田 詩朗さん)

「注文が殺到していて、ギリギリになって結構くる。急ぎの客が多かったので、10月までに間に合うようにやった」

8月から駆け込みでの特需がみられるようになり、ハンコの注文は例年の3倍ほどに…。登録番号のハンコを使えば、これまでの書式の請求書や領収書が使えるため、レジの切り替えなどが間に合わなかった事業者などから注文が急増したといいます。

(栗田印房 店主 栗田 詩朗さん)

「ハンコ廃止などと言われていたので、そういう意味では(特需は)いいかなと思う」

さらに、これまで全額公費で負担していた新型コロナの治療薬が、10月から9000円を上限に自己負担となりました。新型コロナウイルスをめぐっては2024年4月をめどに「通常の対応」に戻すことを目指し、支援策の段階的な見直しが行われています。重症化を予防する効果がある治療薬の値段は、約9万円と高額なこともあり、1回の治療あたりの自己負担は、3割負担の患者でも最大9000円となります。

この10月から価格が上がるものが他にもあります。

帝国データバンクによりますと、食品関係では“第3のビール”のほか、お酒や飲料を中心に4634品目が値上げとなりました。電気やガスは、政府の支援策である激変緩和措置の補助金が、10月から半分になることで、価格が上がります。平均的な家庭で、中部電力では9月に比べて782円上がり7181円。静岡ガスでは、1か月当たり339円上がり6344円となります。

一方で、10月から最低賃金が引き上げられました。静岡県は40円引き上げられ、時給984円と、これまでで最も高くなりました。その他に、ふるさと納税制度は、募集に関わる経費や地場産品の基準のルール厳格化によって、一部の返礼品の寄付額が上がりました。

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