雅楽流しクマよけ 白山比咩神社 近くの民家に出没、けが人なし

民家の庭に出没したクマ=3日午前6時、白山市白山町(住民提供)

 3日午前2時ごろ、白山比咩神社(白山市白山町)の表参道駐車場に隣接する民家で、「庭にクマがいる」と近所の女性が警察と市に通報した。クマはカキの木の上にいて午前6時ごろ、庭から移動し、山に入っていった。けが人はいなかった。クマは見つかっておらず、神社はクマが近寄らないように、スピーカーから雅楽を流す対策を講じた。

 白山比咩神社によると、境内に音楽を流すのは初詣など限られた時だけだが、鈴やラジオの音がクマよけに有効なため、雅楽を流すことにした。田中天善権禰宜は「七五三の時期で子どもの参拝が多いので、最大限の注意を払いたい」と話し、境内や入り口に注意を促す張り紙もした。

 自宅の庭にクマがいた80代男性は、カキの実はほぼ収穫していたが、木の上部にある実が残っていたとして「早く収穫しないと、またクマが現れるかもしれない」と表情を曇らせた。

 白山市は周辺をパトロールし、防災無線で注意を呼び掛けた。

  ●木場潟、一部開放

 10月11日に男性がクマに襲われ重傷を負い、閉園していた小松市の木場潟公園東園地は3日、クマが出没した丘陵部を除く一部エリアが開園した。

 開園したのは里山交流ハウスと農業体験ハウスのある平地エリア。丘陵部の開園時期は決まっていない。

 石川県内ではこのほか、10月9日に金沢市の大乗寺丘陵公園でウオーキング中の男性がクマに襲われ、けがを負った。

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