23年県内交通事故死者数、過去最少の103人 歩行者妨害や自転車利用など減少 兵庫

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 2023年の兵庫県内の交通事故死者数が103人(速報値)となり、統計を取り始めた1947年以降で最少となったことが2日、県警への取材で分かった。新型コロナウイルス禍で外出自粛の影響があったとされる20年の110人を下回ったという。

 県警交通企画課によると、県内の交通事故死者数のピークは「交通戦争」と呼ばれた高度成長期の1969年で、740人だった。その後は減少傾向で、2018~20年に3年連続で最少を更新したが、21、22年は前年を上回りそれぞれ114人、120人となっていた。

 23年は新型コロナが感染症法上の5類に移行して交通量が増えた一方、重大事故は減少。11月末時点で、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるのに車などが一時停止しない「横断歩行者妨害」の違反による事故の死者が前年同期比11人減の3人、自転車利用者の死者も同9人減の12人にそれぞれとどまっていた。

 月別の最少は6月の1人(前年同期比13人減)。一方、10月以降は前年を上回り、11月の13人(同4人増)が最多で、12月も12人(同1人増)が亡くなった。年末に死亡事故が相次いだ姫路市では、12月下旬に市内の3警察署などが「交通死亡事故多発注意報」を発令している。(井上太郎)

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