「もうやめて」。6日未明、最大震度5強を観測した奥能登では、避難者が3日ぶりとなる強い余震に恐怖を募らせた。4、5日と震度5強クラスは発生していなかっただけに、避難所のお年寄りは「ようやく少し落ち着いたと思ったのに」と落胆。不安から睡眠を十分に取れない人が多く、被災者の疲労は心身ともピークに達している。
震度5強を観測した穴水町。子どもからお年寄りまで約460人が身を寄せる町さわやか交流館プルートでは、大勢の人が一斉に飛び起き「またきたか」「わっ、怖い」と口々に叫んだ。
白藤栄一さん(76)=大町=は地震の音と揺れで目覚めたといい、「みんなが声を上げ、おびえていた」と振り返った。白藤さんは「1日の本震ほど揺れなくて安心した」とする一方、「余震のたび目が覚める。自宅で安心して寝られる日は来るのか」と嘆いた。
同町役場の避難所で過ごす松本志郎さん(77)=川島=は「着の身着のままで逃げてきたので敷く布団がなく、段ボールは硬くてよく眠れない。余震もあってなおさらだ」と疲れ切った様子で話した。
輪島市ふれあい健康センターに避難している明田元文さん(73)=同市鳳至町=は「ここ2日間は震度4くらいだったのに、今朝のは大きかった。いつまで続くのか」とうんざりした様子。自宅は1日の地震で半壊状態になったとし「もう1回強いのがきたら倒れるかもしれない」と不安を口にした。
地震発生時、同市河井町の自宅にいた晋川安子さん(70)は「怖くて全然眠れない。早く布団に入っても、少しうとうとできるくらい」と語った。