【早出し】県のヘルメット着用推進モデル校への指定書交付式 山形南高

自転車ヘルメット着用推進モデル校の指定書を手渡した交付式=山形市・山形南高

 高校生の自転車利用時のヘルメット着用率を上げようと、県の着用推進モデル校への指定書交付式が29日、山形市の山形南高(大沼晋校長)で行われた。2023年度から努力義務化された着用だが、本県では高校生の未装着率が顕著で、県は対策として、本年度からモデル校を3校増やした上、1校につき10万円の活動費を新たに支給する。指定校は独自の着用普及活動に取り組む。

 「自転車ヘルメット着用推進モデル校」事業は県が村山産業と米沢興譲館を指定し、昨年度から始めた。本年度は山形南、鶴岡中央、新庄北を新たに加え、計5校が校内で着用率向上に向けて話し合い、支給された活動費を元手に活動する。

 山形南高で行われた交付式では、岡田淳県警交通企画課長が「県内の高校生の着用率はまだまだ低い。校内での取り組みが大人にも波及してほしい」とあいさつし、生徒会長の3年藤原康太さん(17)に指定書を手渡した。藤原さんは「これまでは校内で着用を呼びかけてきた。今後は文化祭などを通して県内全体の着用率向上につなげたい」と意気込んだ。

事故防止へ、生徒会「南」ロゴ入り考案

 山形南高では、自転車ヘルメット着用推進モデル校指定前の昨年度、生徒会が中心となってオリジナルロゴ入りヘルメットを考案し、業者が生徒向けに販売している。同校は「いかしたメット」で着用率向上を目指す。

 生徒会は2022、23年度に同校生徒の自転車運転時の事故が20件近くあることを知り、危機感を抱いた。ヘルメット着用率を上げ命を守ってもらおうと、生徒に意見を聞きデザインを考えた。

 南高のイメージカラーであるコバルトブルーを基調とした流線型のヘルメットに、「南」の文字のシールを貼り付けた。1個4千円で60個ほどが既に売れたという。生徒会長の藤原さんは「一番かっこいいヘルメットだ」と胸を張った。

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