琴桜関、田んぼアートに 尾花沢・福原両小児童ら、笑顔で苗を手植え

琴桜関を題材にした田んぼアートの図柄(福原ふるさと塾提供)

 尾花沢市の地域おこしグループ「福原ふるさと塾」(菅野誠治代表)と市内の尾花沢、福原両小の児童が30日、尾花沢小近くで田んぼアートの田植えに取り組んだ。今年の図柄は、大相撲で活躍する尾花沢ゆかりの大関琴桜関。凱旋(がいせん)となる夏巡業「尾花沢場所」(8月11日・サルナート)に向けて、力強い姿を浮かび上がらせ、盛り上げに一役買う考えだ。

 琴桜関は同市出身の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若関)の長男。父の最高位を超える大関への昇進と、横綱だった祖父のしこ名襲名と話題に事欠かず、今月初旬に発売した尾花沢場所の一般チケット約2500枚は10日ほどで完売する盛況ぶりとなっている。琴桜関を選んだ理由について菅野代表は「市民みんなが応援していると伝えたかった」と語った。

 田植えをした場所は県道東根尾花沢線沿いの15アールほどの水田。児童の発案で、大関の顔つきは歌舞伎役者のように勇ましくした。このほかにしこ名を描き、同会の考えで能登半島地震の被災地復興の願いを込めた「能登に立つ」の言葉を添えた。図柄は、5色の稲を使い分けて表現する。

 両校の5年生計74人がはだしで田んぼの中に入り、図柄に沿って張られたひもを頼りにして、苗を丁寧に植えた。尾花沢小の東海林穂(みのり)さん(10)は「大変だったけどすごく楽しい。もう一度田植えがしたい」とにっこり。見頃は6月末からという。福原小の天野拓叶(ひろと)君(10)は「琴桜関が見たら喜んでくれるかな」と期待を込めた。

笑顔で田植えに取り組む児童=尾花沢市

© 株式会社山形新聞社