「分身ロボットどう使う?」口加高生が操作体験 島原観光連、地域課題解決のアイデア探る

分身ロボット「オリヒメ」の活用法を探る口加高の生徒たち=南島原市加津佐町

 島原半島観光連盟(相川武利会長)が分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用した人材育成や地域課題の解決に乗り出している。第一弾として、南島原市加津佐町の農家民宿で、地元高校生を対象に操作体験会を実施した。
 「オリヒメ」は、外出困難者の社会参加を支える「オリィ研究所」(東京都)が開発。約20センチの分身ロボットで、カメラやマイクなどが内蔵されており、パソコンやタブレットを使って遠隔操作ができる。病気やけがで移動ができない人が会話に参加したり、遠隔で接客することを可能にしている。
 「こんにちは。何かお困りごとはないですか?」
 ロボットの声の主たちは、口之津町の県立口加高(馬木みどり校長、214人)グローカルコース2年の森本まゆさん(16)ら3人。農家民宿を経営する栗原義久さん(72)は「どこから動かしているの?」「こっちが見えているの?」と話しかけたり、手を振ったりしながら、オリヒメとのやりとりを楽しんでいた。
 森本さんは「(本年度の)探究授業の班の仲間計8人でロボットの活用法を考えている。栗原さんは近くで無人販売もやっているそうなので、オリヒメが接客に使えそう」と目を輝かせていた。
 同連盟のプロジェクト担当の福田亮太さん(34)は「分身ロボットを通じて地方観光の新たなフロンティアを開拓したい。遠方のため墓参や法事に参加できない方々の分身になったり、半島内の観光名所をオリヒメで案内したりするなどさまざまなケースを想定している。高校生の多様なアイデアを施策に反映できれば」と期待を寄せていた。
 参加体験を希望する施設や団体も募集中。同連盟(電0957.62.0655)。

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