鹿児島県が瀬戸内町の嘉徳海岸で計画する護岸工事を巡り、鎌田愛人町長と嘉徳集落の住民が12日、県大島支庁を訪れ、早期完成を求める塩田康一知事宛ての要望書を提出した。
海岸は2014年の台風で砂浜が集落近くまで浸食された。県は住民らの要望を受け、長さ180メートル、高さ6メートルのコンクリート護岸の整備を計画するが、反対する住民らの抗議により工事を進められていない。
要望書は鎌田町長と集落の栄茂男区長(74)の連名。着手から8年たっても進展せず、集落民は台風の度に不安を感じているとして、「一日も早い完成と安全な生活の確保を切望する」と訴えた。
工事を巡っては、反対する住民らが19年、「護岸は不要で自然環境にも多大な影響を与える」などとして公金差し止めを求めて県を提訴。福岡高裁宮崎支部は今年4月に請求を棄却し、原告は上告した。