沖縄戦の元学徒に78年越しの卒業証書 「学友の無念を忘れてはならない」 世界平和の文字を書き記す

沖縄戦の元学徒、宮城政三郎さんが、戦時中に疎開先の台湾で通っていた学校から78年の時をこえて卒業証書を授与されました。

太平洋戦争中、疎開先の台湾で学徒動員された宮城政三郎さんに21日、現地で通っていた高雄高級中学校から名誉卒業証書が授与されました。

宮城さんは1945年に日本軍に動員され戦後も卒業は叶いませんでしたが、高雄高級中学校の荘福泰校長が元学徒として戦争の惨禍を伝え続けている宮城さんの活動とかつて在学していたことを知り、沖縄の人では初となる名誉卒業証書を授与することを決めたということです。

宮城さんは現在病気の影響で言葉を発することが難しい宮城さんですが、この日の授与式では体調を崩す前に台湾の後輩たちに向けて撮影していたビデオメッセージが流されました。

元学徒・宮城政三郎さん
「戦争で死ぬために生まれてこなかった学友。平和な世に生きたかった学友の無念を私たちは忘れてはなりません」「台湾が平和でいつまでも自由で楽しい島であることを願っています」

宮城さんは授与式後に「世界平和」の文字を書き記し、在りし日の学友たちを思い非戦の誓いを新たにしていました。

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