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庭やベランダがあっても「日陰では何も咲かない」とあきらめていませんか? じつは、日陰でも意外なほど多彩な花が楽しめます。これから厳しい暑さに向かう時期、日陰はむしろ涼しくて植物も人もホッとできる場所です。日陰を好む花で華やか、涼やかに彩りましょう。
★梅雨入り前後の庭仕事★
自宅の日陰はどんなタイプか、知るところから始めよう!
日陰にもいくつかタイプがあるのをご存じですか?
A)暗い日陰:家屋の北側などで直射日光がまったく差さず、間接光もない場所。
→栽培できる植物は限られますが、カラーリーフなどでしっとりした風情に。
B)明るい日陰:直射光は差さないけれど、木漏れ日や壁の反射光などの間接光が当たる。または、周囲が開けていて明るい場所。
→花つきは少なめでも、品種を選べばバラも栽培できます。
C)半日陰:太陽の位置によって、1日2~3時間は直射光が差す。
→果樹や果菜を実らせるのは難しくても、たいがいの草花は栽培できます。
さて、自宅の日陰はどのタイプかわかりましたか。
隣に高い建物が建って庭が日陰になってしまったと思ったら、建物の壁に日光が反射して明るい日陰になり、夏は日なたの庭よりむしろ快適にガーデニングを楽しんでいるという例もあります。夏の強光線が苦手な植物も多いので、日陰気味を好む草花を生かしましょう。
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華やかに涼やかに日陰を彩る草花8選
初夏から晩秋まで次々に咲き続ける【インパチエンス】
草丈:20~40㎝
開花期:5~11月
ピンクやオレンジ色、白色の一重咲きや、大株に育つ園芸品種の‘サンパチエンス’は晩秋まで咲き続けるので人気です。幾重もの花びらがロマンティックなバラ咲きは、日陰では花数が少なめになります。冬越しには10℃以上が必要な多年草なので、一年草扱いとします。
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スペード型の斑入り葉が日陰を明るくする【ブルンネラ】
草丈:30~50㎝
開花期:4~6月
丸みのあるスペード形の葉群に、青色の小花が散り咲いて愛らしいものです。葉は緑一色の原種のほか、黄緑の斑入り種やシルバーに緑の葉脈が浮かび上がる園芸品種 ‘ジャックフロスト’なども。カラーリーフとしても美しく、日陰を明るくする存在。冬は落葉する多年草。
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林の縁に浮かび上がる釣り鐘型の花【ホタルブクロ(カンパニュラ・プンクタータ)】
草丈:20~100㎝
開花期:5~7月
日本をふくむ東アジアの草原や林のふちに自生するカンパニュラです。釣り鐘型の花をいくつも咲かせる姿は目立ち、薄暗い林をバックに浮かび上がります。山野草として鉢植えにするとコンパクトに育ち、洋風の庭にも似合います。寒さに強い多年草ですが、冬は落葉。
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つぶつぶ&ふわふわと初夏を彩る【キョウカノコ(フィリペンデュラ・パープレア)】
草丈:60~100cm
開花期:6~7月
古くから栽培されてきた多年草。密集した小さなつぶつぶの蕾が開くとふわふわの花が霞のように広がります。深い切れ込みの入る葉は、真夏の強光線で葉焼けすることがあるため、西日が当たる場所は避け、涼しい日陰で育てましょう。冬は落葉します。
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星型の黄色の花を穂状に咲かせる【リシマキア・プンクタータ】
草丈:40~60㎝
開花期:6~7月
リシマキアというとグラウンドカバーで紹介した這い性のヌンムラリアが親しまれていますが、プンクタータは地下茎で広がる立性タイプ。花茎を林立させて咲きます。もともと日差しの弱い山林に自生するので、夏は葉焼けしないように注意。寒さに強い多年草。
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葉っぱだけで美しい日陰の庭の決定版【ホスタ(ギボウシ)】
草丈:20~120㎝
開花期:6~7月
東アジア原産のホスタは、もっとも多くの種類が日本に自生。育てやすく、葉の大きさや形、葉色や葉模様の多彩な園芸品種もあります。冬は地上部が枯れますが、寒さに強い多年草です。暗い日陰でも年々大きな株になり、多数の花穂を立ち上げて存在感を発揮します。
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穂状に咲かせるベル形の花が美しい【モモバキキョウ(カンパニュラ・パーシフォリア)】
草丈:40~90㎝
開花期:5~6月
ヨーロッパからロシアなどの林のきわなどに自生。日本でも古くから栽培され、多くの園芸品種があります。比較的大きなベル形の花は目立ち、日陰でも視線を集めます。寒さには強い多年草ですが、高温多湿に弱いため日本の暖地では、夏越しできない一年草扱い。
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大株に育てて華やかな花穂を群れ咲かせる【アスチルベ】
草丈:30~80㎝
開花期:6~7月
日本の山野に咲くアワモリショウマなどの仲間で、ヨーロッパで多くの園芸品種が誕生。綿菓子のような花穂に、整った葉群の組み合わせが美しいものです。1日数時間、日の当たる半日陰で元気に育ち、梅雨の長雨にも傷みません。寒さに強い多年草ですが、落葉します。
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日陰で育てる試し方や工夫
冒頭で、明るい日陰ならバラも育てられると書いたように、‘アルバメイディランド’なら半日陰でも大丈夫。‘コーネリア’や‘ポールズヒマラヤンムスク’などは、花数は少なくなっても明るい日陰で育てられます。
ただし、風通しや水はけのよさなどの条件も影響するので、初めての植物は鉢植えで日陰に置いてみて、様子を見ながら試しましょう。夏の強光下より日陰で長く花が楽しめるという場合もあります。
日当たりが悪い場所は、30~50㎝以上深く耕して堆肥や腐葉土を3~5割すき込みます。粘土質の土壌なら砂も入れます。雨水が溜まりやすい場所は培養土を足し、土を盛って一段高い花壇をつくると、日陰でも植物が快適に育つ条件が整ってきます。
また、暗い日陰でも地面より目の高さや軒先の高さなら、いくらか光が届いて明るいものなので、軒下などに吊り鉢などを下げて栽培してみるのもよいでしょう。日陰だからとあきらめないで、夏に快適なガーデニングを楽しんでください。
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※2023年6月28日に配信した記事を再編集しています。