女性を追い掛け説得 コンビニ店員に感謝状 浦上署

特殊詐欺被害を防ぎ署長感謝状を受けた毛利さん=長崎市内(浦上署提供)

 特殊詐欺被害を防いだとして浦上署は、長崎市のファミリーマート長崎清水町店の従業員、毛利忠彦さん(29)に署長感謝状を贈った。
 同署と毛利さんによると6月11日、市内の60代女性が来店し、20万円分の電子マネーを購入しようとした。高額だったため、レジの近くにいた毛利さんが使い道を尋ねたが女性は無言。詐欺を疑い「証明がないと販売できない」と伝えると、女性は外に電話しに行った。
 女性が店内に戻り「『購入するとレジに伝えて』と言われた」と話したため、毛利さんは「警察を呼ぼうか」と伝えた。女性の来店と同時に、店には無言電話が連続10件以上かかってきていた。
 女性は再び電話をするため外に。毛利さんが様子を見に行くと、女性は既に店の約100メートル先まで歩いていた。「このまま帰ったら危ない」と思った毛利さんは走って追い掛け、説得して女性と店に戻った。その間、別の店員が警察に通報していた。
 同署によると、女性は同日午後0時すぎ、ショートメールに「未納に関する連絡」が届いた。表示された番号に電話したところ「午後3時までに支払わないと裁判で訴える」「電話を切ったら警察に捕まる」などと脅された。
 毛利さんは「止めてよかった。今後も不審に思ったら相談したり声掛けしたりしたい」と話した。


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