壱岐8強 背番号「10」小嶋が完封 長崎日大を撃破 第103回全国高校野球長崎大会 第9日

【3回戦、壱岐―長崎日大】接戦を制して喜ぶ壱岐の選手たち=県営ビッグNスタジアム

 この大会で平成最多の優勝を誇る伝統校に気後れせず、堂々と押し切った。壱岐が第4シード長崎日大との接戦を制し、昨夏の独自県大会に続いて8強入り。坂本監督は「ベストゲームをやってくれた」と選手たちをたたえた。
 原動力となったのは先発した右腕小嶋。捕手辻村が「すべての球を操れていた」と振り返ったように、低めの直球を軸に、スライダー、ツーシームなどの変化球が効き、凡打の山を築いた。背番号10は「バックにも助けられ、丁寧に投げられた」と汗を拭った。
 攻めては長崎日大のお株を奪うそつのなさを披露。初回に吉田が三盗を決め、暴投で先制のホームを踏むと、五回1死一、三塁では坂本が一塁線にスクイズを成功させた。チャンスには拍子木を鳴らして鼓舞する保護者らの応援も力に、流れを渡さなかった。
 小嶋や辻村、主将赤木ら3年生は、2018年の中学軟式野球全国大会「離島甲子園」で3位に入った壱岐市選抜の主力だった。島外の強豪校を選ぶ選手も多い中、地元から本気で甲子園を目指そうと集結。加えて、01年の波佐見高時代に聖地でプレーした坂本監督が昨秋に就任し、さらに思いを強くしてきた。
 昨年超えが懸かる準々決勝の相手は海星。小嶋は「日大に勝ててうれしいが、次も強いのでしっかり準備したい」と意気込む。離島勢初の頂点に向けて“壱岐旋風”が勢いを増していく。

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