【スタンレーレディス】渋野が涙の復活優勝「1打1打に向き合ってきたかいがあった」

渋野日向子

涙の復活優勝――。女子ゴルフの「スタンレーレディス」最終日(10日、静岡・東名CC=パー72)、68で回った渋野日向子(22=サントリー)が、通算10アンダーで並んだアマチュアの佐藤心結、木村彩子(富山常備薬グループ)、ペ・ソンウ(韓国)とのプレーオフ(PO)を制して、2019年11月の「大王製紙エリエールレディス」以来となる通算6勝目(国内通算5勝)を挙げた。

POの舞台は18番パー5。1ホール目に渋野が3打目を30センチにつけるスーパーショットを見せたが、ぺがグリーン奥からチップインバーディー、佐藤も1メートルを沈めて勝負は2ホール目へ。ここでも渋野は1メートルにつける一方で、佐藤は3打目をピンに直撃させる不運もあり、バーディーを奪えず。渋野は下りのフックラインをしっかり決めが、ほぼ同じ距離だったペがバーディーパットを外して勝負が決まった。

プレーオフ中は笑顔を見せていた渋野だったが、決まった瞬間に歓喜の涙。「ここ何試合か上位だったけど、勝てるとは思っていなかった。ウソなんじゃないかと思って涙が出た」と振り返った。久々の勝利については「(全英女子オープンなどで優勝した)2019年の自分を超えることは難しいと思いながら試合をやり続けていた中、ここ最近の自分なら2019年の自分を超えられるかもしれないと、ちょっとずつ自信を持てるようになっていた」。徐々に手応えをつかんでいたことを明かした。

それでも「勝ちたい欲を抑えて、1打1打に向き合ってきたかいがあった」と、しみじみ語った。今後に向けては「完全復活? そう思いたいけど、自分にプレッシャーをかけないように切り替えてやっていけたら」。12月には米ツアーの最終予選会も控えており、そこに向けても弾みのつく勝利となった。

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