若者投票率アップの“秘策”は? ネット投票 / ポイント付与 / 投票所の工夫 アイデアさまざま

 あなたが考える若者投票率アップの“秘策”は? 長崎新聞社は情報窓口「ナガサキポスト」のLINE(ライン)で、伸び悩む10~20代の投票率を上げるアイデアを募った。登録者133人から回答があり、インターネット投票やインセンティブ(動機づけ、特典)の導入、投票所の工夫を求める声が多かった。

 調査は20日から24日夕まで実施。回答者は▽10代8人▽20代10人▽30代18人▽40代23人▽50代29人▽60代30人▽70代以上15人-。

 最も多かった案は、時間や場所を気にしない手軽な「ネット投票」(34人)。佐世保市の50代主婦は「投票所の開設も不要になり、人件費削減にもつながる。人工知能(AI)に集計させれば結果も早く分かると思う」と提案した。

■宝くじ配布も


 投票に見返りがあるインセンティブ案も目立った。アーティストのグッズや宝くじ、飲食店割引券の配布、ネットショッピングで使えるポイント付与など多種多様。中には「(投票したら大学の)単位にする。みんな単位がほしいから」(諫早市・10代男子学生)と切実なコメントも。

 投票所の工夫を求める意見も上がった。西彼時津町の40代女性会社員は投票所を「テレビ局や裁判所、出島メッセ長崎、県警本部など普段入れなかったり、行きたくなったりする場所にする」と提案。長崎市の60代男性会社員は「投票所の雰囲気がかたくて暗い」と指摘し、芸能人などによるエンターテインメント的な催事の実施を勧めた。

■「ハロウィーン投票」


 ただ、選挙の啓発に課題を挙げる人も一定数いた。「その場しのぎの『秘策』ではなく、若者が選挙を自分ごとだと認識できるよう義務教育で選挙を学ぶような長期的な対策を取るべき」と長崎市の30代主婦の視線は厳しい。衆院選の投票日がハロウィーンと重なるため、雲仙市の50代農業女性は「飲食店とコラボしたハロウィーン投票」とのユニークな意見を寄せた。

 10~20代の当事者はどうか。長崎市の10代女子学生は「出馬する人がもっと魅力的な人じゃないといけない。おじいちゃんばっかりで全然面白くないから政治家の定年制度導入を」と訴えた。同市の20代女性公務員は「投票所がどこか分からないし、休みの日にわざわざ行くのも面倒」としたが、「ある程度(職場で)義務付けられている方が参加しやすい」と明かした。

 

 県選管の担当者に集まったアイデアを伝えた。ネット投票は「法律を変えないと難しい…」と難色を示したが、宝くじのインセンティブについては「よく思い付きましたね」と笑った。

 「新型コロナウイルスの影響で、集合型の啓発活動は難しかった」と担当者。代わりに、会員制交流サイト(SNS)や、デジタルサイネージ(電子看板)の広告に力を入れた。

 県内の18、19歳の投票率(抽出調査)は▽2016年参院選39.20%▽17年衆院選42.56%▽19年参院選27.18%。20代前半は過去3回の国政選挙とも20%台にとどまり、年代別で最も低い数字となっている。果たして、今回の投票率はどうなる? (古瀬小百合)

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