読者が寄せた多彩な「秋」 ナガサキポスト写真特集

妻の実家がある諫早市内で犬の散歩中に、恐竜のオブジェが飾られたコスモス畑を発見。一緒にいた小学1年の長女( 6)は、この数日後に長崎市恐竜博物館に行く予定で、恐竜に興味津々でした【西彼時津町の公務員男性(36)】

 長崎新聞社が情報窓口「ナガサキポスト」のLINE(ライン)で、「秋」をテーマに写真を募集したところ、今月5日から13日までに登録者87人から計194枚が寄せられた。

 最も多かったのは、紅葉やイチョウ、コスモスなど木々や花の写真。「秋」を探そうと、登山やジョギング、散歩をして体を動かしたというエピソードも多かった。

 柿や梨、焼き芋など「食欲の秋」を表現する写真や新型コロナウイルス禍を思わせる投稿も。読者が見つけた「秋」の一こまを特集する。(橋本真依)

◎家庭に四季届ける花店

  「花どころ かん」=長崎市片淵3丁目=

竹ン芸をテーマに制作したアレンジメント(松尾さん提供)

 花店が「秋」の訪れを教えてくれました-。長崎市の馬場英徳さん(65)、池下弘之さん(65)はそれぞれ、同市片淵3丁目の「花どころ かん」が制作したフラワーアレンジメントの写真を投稿。毎年10月に同市伊良林2丁目の若宮稲荷神社の秋の大祭で奉納される「竹ン芸」をモチーフに、竹の上で曲芸をするキツネが表現されている。

 店主の松尾和美さん(57)は店頭販売のほか、週替わりのアレンジメントを登録客に送る定額サービスも行う。「いつも同じ見た目だと飽きてしまう」。ひな祭りやかき氷、花火など多彩なテーマで、家庭に四季を届けている。

 松尾さんにとっての「秋」は長崎くんちだ。今まで毎年の演(だ)し物をアレンジメントにしてきたが、新型コロナの影響で2年連続の中止。「催しがなく寂しい。お客さんが秋を感じられる商品を」と、竹ン芸の作品を作ることにした。

 写真を見てキツネの体の反りや腕の開き方を研究。紙粘土や和紙を使って再現した。手間と時間をかけた分だけ、来年の開催を願う気持ちも強くなった。

◎やっと再会 孫パシャリ

  溝口義幸さん(62)=諫早市多良見町=

 諫早市多良見町の兼業ミカン農家、溝口義幸さん(62)は今月、愛知県に住む初孫の隼煌(しゅんき)ちゃん(1)と会えた喜びを伊木力ミカンと共に写真に収めた。ビデオ通話の画面でしか顔を合わせられなかった初孫。初めて一緒に「秋の思い出」を作ることができた。

 隼煌ちゃんが昨年3月に県内で生まれてから、1年7カ月ぶりの再会。新型コロナ禍で帰省を控えていた溝口さんの三女幸美さん(24)と2泊3日で訪れた。今月7日、雲一つない青空が広がる絶好のシャッターチャンスが巡ってきた。隼煌ちゃんを自宅裏のミカン畑に連れ出して、パシャリ-。

 溝口さんにとって「秋」といえばミカン。3千坪ほどある畑で、丹精込めて育てた“わが子”の収穫を始める季節だ。「撮影中、木になっているミカンを隼煌が触ってくれた」と頬を緩める溝口さん。「収穫の時季には毎年、会いに来てほしい」と、一緒に収穫する未来を思い描いている。

溝口さんが撮影し、ナガサキポストに投稿した写真。「愛知県にいる初孫がようやく会いに来てくれた」と自宅裏で伊 木力ミカンを触る初孫を撮った=諫早市多良見町
午前5時半から、家族で秋イカを釣りに出掛けました。お父さんの離島転勤をきっかけに釣りを始めたけど、僕はまだ イカを釣ることができません【五島市の小学3年生、小川桜太郎君(9)】
家族で秋を探しに雲仙市へ。仁田峠に向かう途中、車を降りてお母さんとパシャリ。コロナ禍であまり出掛けることが できなかったので、久しぶりに楽しい思い出ができました【大村市の小学生】
おじいちゃんとおばあちゃん、お母さん、弟楓ちゃん(1)の5人で長崎市の八郎岳に登りました。山頂ではシャボン 玉で遊んだり、おにぎりを食べたり。ドングリや松ぼっくりがたくさん落ちていました【長崎市の小学2年生、土肥花 乃さん(7)】
週2日は娘3人と遊びに来る長崎市の江戸町公園。日暮れが早まり、娘たちと「うろこ雲があるね」「夕焼けでピンク 色だね。赤くなったね」と話しながら空を見上げています【長崎市の主婦(42)】
3月に銀行を定年退職し、元行員の仲間(写真右2人)と農業ビジネスを開始。この秋、無農薬で育てたショウガ約1 ・4トンを初めて収穫しました。先輩農家からも「よくできた」と高評価。今回は出荷せず、来春の植え付けに備えま す【長崎市の農業、山下博さん(55)】
実家の柿の木に初めて実がなり、10個ほど送られてきました。たまたま買ったばかりだった柿の柄の手ぬぐいに載せ て、撮ってみました【長崎市のデザイナー、野口友紀子さん(30)】
10月30日付の本紙で紹介された仁田峠(雲仙市)の紅葉を「どうしても見たい」と思い、今月7日に行きました。 ロープウエーの窓から見える鮮やかな景色に癒やされました【新上五島町の総菜店経営女性(68)】

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