ワクチン職場接種受け付け開始 長崎国際大3回目申請 慎重姿勢の大学・企業も 

 厚生労働省は13日、新型コロナウイルスワクチンの3回目の職場接種申し込み受け付けを始めた。長崎県内では長崎国際大(佐世保市)が初日に申請。ほかにも申請予定の企業・大学がある一方、「市町の接種状況を踏まえ判断する」との慎重姿勢もある。
 2回目終了から原則8カ月の間隔を空ける必要があり、早くて来年3月ごろ始まる見込み。対象は1、2回目を実施した企業・大学に限定され、県内で実績があるのは24事業所。今回も米モデルナ製を使う。
 長崎国際大は来年3月の接種開始を目指す。1、2回目は同大を運営する学校法人九州文化学園グループの学生や教職員、市内のホテル従業員ら約4千人を対象としたが、3回目は近隣のハウステンボスの従業員を含め4500人とする予定。安東由喜雄学長は「経験があり、追加接種をやらない理由がない」と話す。
 長崎大(長崎市)と県立大(佐世保市、西彼長与町)は「慎重に検討」。長崎大は自校に加え、他の大学や県内企業など計約1万9千人の2回接種を実施。担当者は「市町の接種が8カ月より前倒しになるという情報もある」と状況を注視する。県立大はワクチンの供給不足で1回目開始が1カ月以上遅れた。担当者は「学生の接種率が上がる効果はある」としつつ「今回は本当に大丈夫か」と供給量・時期が気になる様子。「医療従事者の確保も簡単ではない」と難しい対応を迫られている。
 約千人への接種実績がある長崎旅館ホテル組合は、3回目接種の意向を確認するため会員施設にアンケートした。塚島宏明専務理事は個人の見解として「県市のワクチン確保が前回よりもスムーズに進みそうだ」と予想。感染が落ち着き会員施設の稼働率も回復傾向にあるため「会場確保が容易ではない」としている。
 ANAテレマート長崎支店(長崎市)は今回も県内の全日空グループ従業員など計約千人規模で申請予定。通販大手ジャパネットホールディングス(佐世保市)は「検討中」としている。


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