公示地価 長崎県内は商業地、住宅地ともに上昇

 長崎県全体の商業地の対前年平均変動率はプラス0.4%で、前年のマイナス0.4%から上昇に転じた。前年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で4年ぶりに下落したが、一時、停滞していたマンション用地の需要が回復し、商業地の地価を押し上げた。
 住宅地の変動率は、前年のマイナス0.4%からプラス0.1%に上昇。コロナ禍前の2020年の状況(プラス0.2%)に近づいた。住宅地需要へのコロナ禍の影響が弱まったとみられる。
 前年はコロナ禍への不安や買い控えが生じたが、長崎、佐世保、諫早各市で上昇。人口が増えている大村市や西彼長与、時津両町などは上昇傾向が継続。人口減や高齢化率が高い地域は需要が減退し、下落傾向となっている。
 商業地や住宅地などを合わせた全用途はプラス0.2%。前年は4年ぶりに下落したがプラスに転じた。
 調査した小宮幸弘不動産鑑定士は商業地、住宅地ともプラスに転じた要因を「コロナ禍が始まった当初と比べ、経済社会活動が感染状況に適応してきており、マンション用地や居住環境良好な住宅地を中心に需要が戻っている」と指摘。今後の見通しについて「ウクライナ情勢がさまざまな形で需要に影響を与える可能性があり、楽観的な見通しは立てにくい」とした。


© 株式会社長崎新聞社