核兵器禁止条約 初の締約国会議 きょう開幕 朝長氏らスピーチへ

 核を史上初めて違法化した核兵器禁止条約の第1回締約国会議が21日、オーストリア・ウィーンで開幕する。初日に田上富久長崎市長に加え、被爆者代表として非政府組織(NGO)核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委の朝長万左男委員長(79)もスピーチする見通しとなったことが分かった。被爆地が長年訴え続ける核兵器廃絶の思いを発信するとみられる。
 同会議は21~23日の3日間開催し、条約を批准した62カ国・地域(13日現在)の代表らが出席予定。核兵器の廃棄を客観的に裏付ける検証の仕組みや、被爆者や核実験被害者といった世界の「ヒバクシャ」支援などをテーマに議論する。
 批准国やオブザーバー参加国、NGO代表らが演説し、最終日に成果文書を採択する。ウクライナ侵攻を受け、核兵器不使用のメッセージを込めた政治的な宣言が発表される見通し。
 米国の「核の傘」の下にある日本は条約に署名、批准しておらず、オブザーバー参加見送りを表明。一方、同じく米国の「核の傘」の下にあるオーストラリアや、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のドイツ、ノルウェー、オランダ、ベルギーが参加を予定している。
 条約は核廃絶を掲げ、開発、保有、使用や使用の威嚇などを禁止。核兵器の被害者への医療支援や環境汚染の修復を締約国の義務とする。122カ国・地域の賛成で2017年に国連で採択した。


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