下津井の自家製塩で新商品次々 さんかくや おむすびやジェラート

下津井の塩を使った「さんかくや」のおむすび

 倉敷市下津井地区の地域活性化に取り組む男女3人でつくる「さんかくや」は、地元の海水を天日干しした「塩」を使った食品づくりに取り組んでいる。市内外のイベントで移動販売している“海鮮おむすび”で好評を得ているほか、地元酪農家と協業して生乳を使ったジェラートの新商品も開発。「塩で下津井の名をPRしたい」と売り込んでいる。

 3人はまちづくり団体「下津井シービレッジプロジェクト」に所属。地元海鮮物の魅力を発信しようと昨年夏から商品開発に着手。タコやタイ、ノリなどの児島地区の素材を生かしたおむすびを、同市の「児島駅前三白市」や岡山市の「京橋朝市」に定期出店。毎回完売し手応えを得ていた。

 地元素材のさらなる活用を目指し、今年3月から自家製塩をスタート。下津井地区の海岸でくみ上げた海水を4、5日間、天日干しした後、調理場で熱して結晶化することで、海水1リットルから約30グラムの塩を作ることにつなげた。順次追加で生産し、おむすびを握る際に加えているほか、今夏の新商品「下津井鯛(たい)だし茶漬け」に使っている。

 5月にはジェラート製造販売の難波牧場(倉敷市下津井)とタイアップして「下津井のしお」「しおからめる」のジェラート2種類も商品化。牧場のジェラート担当・難波晃大さん(31)は「塩の配合に苦労したが、塩味が甘さを引き立ててくれてとてもおいしく仕上がった」と振り返る。

 塩はインターネットでも販売している。「さんかくや」代表の会社員長谷川達也さん(35)=同所=は「穏やかな瀬戸内海らしく刺激が少ない優しい味。下津井の魅力が凝縮された塩を味わって」と話す。

 問い合わせは同プロジェクト(086―451―8651)。

海水から作った塩
難波牧場で販売されているジェラート「下津井のしお」

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