ハスの葉を使った「はすうどん」実食…お味は 福井県南越前町の名物

ハスの実や葉などを使った料理

 ハスの葉を使ったうどんの味とは―。はすまつりが開かれている福井県南越前町中小屋の花はす公園で、名物の「はすうどん」を食べてみた。

 同公園が整備された1993年、旧南条町の若手がまちづくりグループを結成。ハスを使った食品開発を進める中で、うどんに適した町産小麦に、細かく刻んだハスの葉などを練り込んだ「はすうどん」を生み出した。試作を繰り返し、どの年代も食べられるクセのないうどんに仕上げた。

 はすまつりなどで提供すると、狙い通り老若男女が列をなした。人気を集めたのを機に町は業者に委託、製品化した。

 同公園内の「瓜生の舘」で、冷やしうどんのほか3品に「はす茶」が付くセットが提供されている。特別にハスパウダーを見せてもらうと、抹茶のような香りで、なめるとやや青臭く独特の風味が広がった。現在のうどんには県産小麦5キロに対しハスパウダー1%が含まれるという。

 さてその味とは。細麺はしこしこで、かむにつれてハスの風味が鼻の奥にふわっと抜けた。薄口の昆布とカツオのだし汁がハスの風味を邪魔しない。セットのはす茶は、世界三大美女の楊貴妃が愛飲したとの言い伝えが残っており、香ばしくすっきりとした味わい。このほかハスの実を炊き込んだご飯などを味わった。夏にふさわしく、さわやかな味わいだった。

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