国内で販売されるメンマの約3割を取り扱う丸松物産(東京都世田谷区、松村大輔(まつむらだいすけ)社長)は、竹林業のワカヤマファーム(栃木県宇都宮市宝木本町、若山太郎(わかやまたろう)社長)と共同で、栃木県産の孟宗竹(もうそうちく)を活用したメンマを初めて商品化した。4年の歳月をかけ完成させた。
商品名は「国産メンマ おつまみ黒胡椒(くろこしょう)味」。ワカヤマファーム産の孟宗竹を原料に使い、販売を始めた。
丸松物産によると、メンマは中国、台湾などで自生する「麻竹」を原料に使う。国内で流通する9割超は中国から輸入されていたというが、中国での需要拡大などに伴い、価格は上昇。ラーメン店などから国産を望む声が寄せられていた。
以前から放置竹林対策として孟宗竹のメンマ製造を研究していた若山社長と、国産ニーズに応えたい松村社長の思いが一致。2018年、開発に乗り出した。
県産孟宗竹を使い、国内で製造する新商品はしょうゆをベースに黒コショウ、唐辛子の辛さを加え、酒に合う1品に仕上げた。丸松物産は「メンマ特有のくせのある匂いがなく、歯切れのよいシャキシャキした食感が味わえる」とする。180グラム、870円。5千袋限定で、当面は同社通販サイト「お総菜通販の丸松物産」で販売する。
若山社長は、自身が部会長を務める県特用林産協会たけ振興部会で原料確保の取り組みを続けており、「商品化は感無量。(量的には)まだ少ないかもしれないが、国産が広がり、産業へと成長する第一歩にしたい」と話している。
丸松物産は今後、飲食店向けメニューとして商品化を予定。国内流通の大半が中国産とされる中、業務用に生産拡大したい考え。原料確保の状況をみて、進めていくとしている。