外国人材受け入れ促進へ連携強化 県とベトナム・クァンナム省

受け入れ促進に向けて連携強化を確認した県(左側)とベトナム・クァンナム省(右側)の関係者=県庁

 外国人材について長崎県と人材交流の覚書を締結しているベトナム・クァンナム省幹部らが24日、県庁を訪れ、受け入れ促進に向けた連携強化を確認した。日本国内の新型コロナウイルスの水際対策が緩和されたことで、今後同省からの技能実習生の受け入れ拡大が期待される。
 県と同省は2019年10月に覚書を締結した。その後、世界中に新型コロナがまん延。両国でも入国制限が始まり、取り組みはストップしていた。
 県産業労働部によると、今年5月、同省から水産加工製造分野の技能実習生2人を受け入れ、年内にさらに5人増える見込み。来年は介護分野の2人の入国が予定されているという。
 この日は、同省の労働・傷病兵・社会問題局のチュン・ティ・ロク局長ら幹部が訪問。「人数だけでなく質も大事にしている」など送り出し機関の信用を強調した。対応した同部の村田誠政策監は「一方通行の交流ではなく、帰国した後も日本企業との架け橋になるような人材育成に協力していきたい」と応じた。
 長崎労働局によると、県内の外国人雇用者数は21年10月末時点で5782人。在留資格別では技能実習が2532人で全体の4割強を占める。県は、同省から受け入れる技能実習生について、3年間の実習を経た後に「特定技能」への資格変更も見据えており、25年度に技能実習と特定技能を合わせて約5千人まで増やす計画を立てている。

◎「特定技能」県内に789人 6月末 前年から2.7倍

 制度創設から3年が経過した在留資格「特定技能」。出入国在留管理庁のまとめによると、6月末時点で県内に同資格で滞在する外国人は789人。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う入国制限がある中、昨年6月末の287人から約2.7倍に増えている。8割以上が「技能実習」からの資格の切り替えだった。
 分野別内訳は、農業が321人(前年同期比182人増)で最多。▽飲食料品製造業159人(同115人増)▽造船・舶用工業146人(同90人増)▽漁業58人(同40人増)▽介護34人(同32人増)▽建設31人(同27人増)-などと続いた。
 受け入れは18市町で、農業が大半を占める雲仙市が140人で最も多かった。長崎市は133人で主に造船・舶用工業。同じく133人の諫早市は、飲食料品製造業と農業が多かった。この他▽島原市92人▽佐世保市45人▽南島原市42人▽西海市36人-など。
 特定技能は2019年4月に新設。人手不足に対応するため、現在は12業種で一定の専門性・技能を有する外国人材を即戦力の労働者として受け入れている。試験以外に、技能実習から資格を変更するパターンがある。


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