公民館で心肺停止の高齢者救命 岡山・中消防署、処置の2人表彰

小谷署長(右)から表彰状を受け取る鴨東さん。画面内が當田さん

 公民館で倒れて心肺停止となった高齢男性の命を救ったとして、岡山市中消防署は4日、中区の鴨東重夫さん(80)と広島市の叡啓大1年當田愛加さん(19)を表彰した。

 同署などによると、男性(82)は9月2日午後3時ごろ、富山公民館(中区福泊)でクラブ活動中に突然椅子から崩れ落ちた。同じクラブに所属する鴨東さんが、呼吸をしていないことを確認して直ちに胸骨圧迫を始め、自動体外式除細動器(AED)を使用。公民館でインターンシップ中だった當田さんが途中から胸骨圧迫を代わって実施した。

 2人は救命講習を受けた経験があり、迅速な処置につながったという。男性は医療機関に救急搬送されたが、回復し、後遺症もなく日常生活に戻れた。

 同署で小谷雄司署長が「勇気を持って駆けつけていただいた」とたたえ、表彰状を贈呈した。鴨東さんは「何とか呼吸をしてほしいという一心だった。講習を受けていて良かった」、オンラインで出席した當田さんは「できることをしようと思い、自然と体が動いた」と振り返った。

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