一正蒲鉾(新潟市東区)が増収減益、原材料価格高騰など「多くのコストが想定をはるかに超えて上昇」

一正蒲鉾本社(新潟市東区)

一正蒲鉾株式会社(新潟市東区)は11日、2023年6月期第3四半期決算(連結)を発表した。売上高は71億7,900万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は△2億1,800万円(前年同期は△2,500万円)、経常利益は△1億8,700万円(同△300万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は△5,400万円(同7,600万円)となった。

ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米国FRBの政策金利引上げによる日米金利差の拡大や日本の貿易赤字などを背景とした急激な円安の影響などにより、すり身をはじめとした原材料価格や電気ガスなどエネルギー価格の高騰に加え、人手不足を背景とした人件費の増加など、多くのコストが想定をはるかに超えて上昇しており、一正蒲鉾グループを取り巻く経営環境はかつてない厳しさとなっているという。

セグメント別の事業概況は以下の通り。

水産練製品・惣菜事業

映える彩りと楽しいバリエーション展開を行っているサラダスティックにおいて、夏限定の「サラダスティック枝豆風味」、秋限定の「サラダスティックスモークサーモン風味」は堅調な販売推移となり、また、「ガブリッチ 魅惑のカニかま」 は内食化のなかでのおつまみ需要に対応し、好調に推移した。しかし、おでん商材は8月・9月と多くの台風が襲来し、フェーン現象や残暑が長引いた影響により販売は低調となった。

利益面では、主原料であるすり身をはじめとした原材料価格の高騰が続いており、ウクライナ情勢や急激な円安などによる影響でエネルギーコストや油脂類、包装資材といった様々なコストも上昇している。

以上の結果、売上高は62億1700万円、(前年同四半期比3,900万円(0.6%)の増加)、セグメント損失(営業損失)は1億6,200万円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)1億500万円)となった。

きのこ事業

野菜市況は前年を上回る推移でしたが、きのこ市況は、消費の伸び悩みと他社の増産の影響もあり、供給過多状態により軟調に推移した。

以上の結果、当セグメントの売上高は8億4,100万円(前年同四半期比800万円(1.0%)の増加)、セグメント損失(営業損失)は8,000万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)6,900万円)となった。

その他

運送事業においては、主に気象影響による輸入青果物の取扱数量の減少及び定期輸送便の一部終了により、売上面は前年同四半期を下回った。

倉庫事業においては、営業活動の取組強化により新規入庫を獲得したことに加えて、収益性改善に向けた庫内管理の最適化を進めた結果、売上面、利益面ともに前年四半期を上回った。

以上の結果、報告セグメントに含まれないその他の売上高は1億2,000万円(前年同四半期比700万円(6.0%)の減少)、セグメント利益(営業利益)は2,600万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)800万円)となった。

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