若い女性に多くみられる子宮頸(けい)がんの予防啓発セミナー(岡山県主催)が23日、岡山市北区奉還町の岡山国際交流センターであり、医師やがん経験者の講演を通じて検診とワクチン接種による備えの大切さを訴えた。
小児科医の今西洋介さん(41)=堺市=は、20代から発症者が相次ぐ国内の現状やワクチン接種の有用性を説明。小学6年~高校1年を対象に行っている無料の定期接種について「他の予防接種が集中する幼少期から期間が空くため、積極的な啓発が必要」とし、「海外では10歳から打ち始めて高い予防効果が確認されている。日本でも時期を早めるべきだ」と指摘した。
23歳で子宮頸がんの告知を受けた大津市の阿南里恵さん(41)は、診断時にはがんが進行し子宮の全摘出を余儀なくされた経緯を紹介。治療後の今も足のむくみなどの後遺症があり「思春期の頃からかかりつけ医に相談できる環境があれば早期発見につながりやすい。家族が受診を勧めることも大切だ」と強調した。
セミナーはオンラインでも配信され、県内外の女性ら約140人が聴いた。