洋上風力発電事業計画 佐賀・唐津沖で5事業者目 平戸含む計画は廃止

洋上風力発電事業の想定海域

 再生可能エネルギー事業を展開するINFLUX(東京)の子会社、唐津玄海洋上風力発電合同会社(佐賀県唐津市)は、同市沖で洋上風力発電事業を計画している。INFLUXの別の子会社が当初、長崎県平戸市的山大島から唐津市馬渡島にかけた海域で計画していた事業は昨年9月に廃止。佐賀県が誘致候補としている唐津市沖にエリアを絞り、あらためて計画した。
 長崎県環境影響評価審査会は20日、同社から長崎県などに提出された「計画段階環境配慮書」について審議した。県によると、同海域での計画は5事業者目。
 計画によると、想定海域は唐津市と玄海町の沿岸海域の約1万4300ヘクタール。総出力は最大約60万キロワット。風車1基当たり9500~2万キロワットで最大64基設置する。風車の基礎部分を海底に固定する「着床式」を想定している。
 審査会では、事業者側が計画概要の他、騒音や生息する生物への影響予測などを説明。海域での風車設置を巡っては、平戸市の漁協などが漁業に影響があるとして反対している。長崎県からは、想定海域で本県漁業者がさまざまな魚種を多様な漁法で漁獲しているとし、「漁業関係者などへの丁寧な説明」を求める意見などが上がった。


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